2015年9月17日木曜日

“抱く女”になれない理由 ~桐野夏生さんに会う



発売中のand GIRL 10月号。
連載している「芳麗の本と音楽の話 café」、
今回のゲストは敬愛する作家の桐野夏生さんです。

新作『抱く女』の話はもちろん、現代の女に必要なフェミニズム、小説に描きたくなる女、嫌いな女の話まで。
とても濃密にフランクにお話くださって、とても感動、感激しました。

『抱く女』は、これまでの桐野作品とは異なる作風。
桐野さんが青春時代に感じてきた葛藤や痛みがリアルに体感できる、私的な小説です。
ハードボイルドなミステリーとはまた違う、ひりひり感があります。

舞台は、1972年の吉祥寺。
あさま山荘事件があり、学生運動やウーマンリブ運動が活発化していたものの、
世間には、混沌としつつも退廃ムードが漂っていた頃です。

テーマは、“女性の生き辛さ”。

「抱かれる女から抱く女へ」という当時のウーマンリブのスローガンが、
今も鮮烈に響くのは、40年以上経ったも、
根底のところで女性が抱えている悩みは変わらないからでしょう。

2015年の今も女性が主体的に生きるのは難しい。
抱かれる女ではなく、抱く女になれない。
それはなぜなんだろう?

桐野さんのお話にはいろいろ感じ入ることが多かったです。

もっと、女性は怒っていい。
自分のせいじゃないのに嫌な思いをしたら、仕事でも家庭でも闘っていい。

という言葉がとても心に残りました。

日々にもまれるうち、闘うこと、怒ることすら諦めて、忘れてしまいがちだから。


最近、大人の女として怒ることの必要性について、よく考えています。

改めてコラムにします。


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